健康長寿世界一への挑戦!
      県庁が主体となった県民一人ひとりの健康づくり(長野県)

      更なる健康長寿に向けて、県民総ぐるみで生活習慣病を予防! 長野県はもともと長寿県として知られ、平成25年に発表された都道府県別平均寿命調査では男女とも1位となった。ただ、脳血管疾患死亡率は全国平均と比べて高く、更なる健康長寿を目指すには、生活習慣病の予防が大きな課題である。 こうした状況を受け、県は平成26年6月、「信州ACE(エース)プロジェクト」を立ち上げ、生活習慣病予防に取り組む県民運動を開始した。ACEとは、生活習慣病予防の重点項目であるAction(体を動かす)、Check(検診を受ける)、Eat(健康に食べる)点に、世界で一番(ACE)の健康長寿を目指す思いを込めた名称である。県民一人ひとりが健康づくりに取組めるよう、さまざまな主体と連携してプロジェクトを進めている。

      長寿は県の財産。今後も継承し発展させていく

      長野県では平成25年に発表された都道府県別の平均寿命で男女ともに1位になったことをきっかけに、自県の長寿要因を分析した。その結果、長寿の背景には長年にわたって培われてきた県民の意識と活動があることがわかった。健康は自県の財産(強み)であり、今後も継承し発展させていく必要があることが改めて確認された。 県の財産である健康を守り、さらなる健康長寿を目指す取組みは、ここから始まった。

      目標数値と現状のデータを公表。今後は効果検証も

      プロジェクトのきっかけとなった長寿要因や生活習慣についてのデータは県のホームページ等で公開。プロジェクトのパンフレットでも目標数値と現状数値を紹介している。また、一部の事業所においてではあるが、従業員の健診データを収集し分析する活動もモデル的に開始している。今後はデータを活用した効果測定を行い、その結果を見える化して次の取組みにつなげることも視野に入れている。

      県民一人ひとりが自主的に取組める仕組みづくり

      県民一人ひとりがそれぞれの立場で健康づくりに取組めるように、①健康経営の推進(県内企業・従業員)、②健康地域づくりの推進(市町村住民)、③健康教育の推進(子どもも含めた住民)、④ACE県庁の推進(県庁職員)の4つの取組み方針を設定。この方針に沿って、具体的な施策を展開する。住民が体を動かすための環境(ウォーキングコース等)を整備するほか、健康経営においては、協会けんぽ長野支部と連携し、「健康経営に意欲はあるが、何から取組めばよいかわかからない」という事業所のサポートを行う。また、推進ネットワークを構築し、健康づくりに取組む主体どうしの情報共有の場を提供。ここからコラボレーションが生まれることも期待される。今後は健康づくりに無関心な層へのアプローチ法として、ヘルスケア機器を活用した運動効果の「見える化」や市町村と連携したインセンティブの仕組みの検討も視野に入れていく。