目指せ、平均寿命の延伸
      健康教育で健やか力の向上に取組む(青森県)

      目指すは「平均寿命最下位」脱出!人づくりを通して日々の健康な生活へ 青森県は、長きに渡って平均寿命全国最下位が続く、いわゆる「短命県」である。近年、平均寿命(健康寿命)の延伸を目指して、県が一丸となって取組みを実施している。中でも弘前大学と連携して「人づくり」に力をいれており、①学校教育の場での健康教育②健やか力推進センターを活用しての企業における健やか力推進員の育成③健やか力推進センターを活用して県民の健康づくりの意識を高める、といった取組みを展開している。日々の生活の場を通して、健康づくりに関する情報提供、教育を実施することで、健康意識の変革による生活習慣の改善や、将来に渡る食習慣の改善を見据えて、地道に活動を続けている。

      取組みのきっかけは短命県日本一の更新

      青森県は、長年にわたって平均寿命全国最下位の状態が続いていた。平成24年6月に厚生労働省が公表した都道府県別の平均寿命でも全国最下位であった。現在は県知事の強い意思の下、県が一丸となって、平均寿命の延伸に取り組んでいる。長寿県と呼ばれる県とのデータ比較によって原因を分析。青森県では働き盛り世代の死亡率が高いことが明らかになった。そこで、病気の予防や食生活の改善などの健康づくりに留まらず、自殺対策等、多面的な取組みを展開している。

      県と大学の連携によって、健康教育の幅広い展開

      青森県の取組みでは、弘前大学との連携が特徴的である。弘前大学と青森県は、県民の健康意識を、「検診が無料だから受ける」という「他人事」の意識づけではなく、「自分の健康のことだから、料金に関係なく受診する」という「自分事」の意識づけに変えていきたいと考えている。若い世代には学校教育の場を通して健康づくりに関する出前授業を実施。子どもの力で家庭を変えることを狙っている。働き盛り世代等の社会人に対しては、健やか力推進センターでの研修を提供。新たに設置した施設を活用して、人づくりをおこなっている。

      “だし活”で「しょっぱぐち」の返上と県産品消費

      青森県は、野菜や魚を含めて農産物が豊富にとれる県であり、だしがとれる食材も多い。一方で、青森県民の味覚は塩辛い味付けが好きな「しょっぱぐち」が多いと言われ、塩分の取りすぎは長きにわたる問題であった。そこで、青森県農林水産部は庁内ベンチャー制度を活用して、“だし活”事業を開始した。県産品の使用割合を高めて、かつ、手頃な価格の「できるだし」を開発。だしのうま味で減塩=“だし活”という取組みを展開している。この「できるだし」は、県内スーパー等で購入することができ、だしをとる作業も簡単。調理の手間が楽になるなど忙しい家庭の主婦に優しい商品となっている。「できるだし」を活用したレシピの発行など、周知にも積極的に取組んでいる。事業二年目には、日々の生活に「だし活」を浸透させるよう、引き続き商品開発に取り組み、新商品も誕生した。