中小企業のもう一歩をあと押し!
      県と協会けんぽの両輪で取組む健康経営事業(大分県)

      「従業員の健康のために何をすればよいのか分からない」企業をなくしたい! 大分県では、県と協会けんぽ大分支部が連携し、県の指導力と協会けんぽの広報ノウハウ等、互いの強みを活かして、県民の健康増進、事業所の健康経営をバックアップしている。中小企業の多くでは、「健康づくりは大切だが何をしてよいか分からない」という状況であるため、健康経営のスタートラインに立てるよう、「健康経営事業所認定制度」で健康づくりの基礎を固めている。同制度を普及させるため、保健所、協会けんぽ大分支部のほか、大分労働局、メディア等、 “オール大分”体制でバックアップの取組みを進めているところ。県や協会けんぽが直接事業所を訪問することで事業所の課題やニーズが見えてきており、事業所が「楽しく」「簡単に」参加できる仕組みを提供することで、継続しやすく、より大きな成果を狙うなど、人と人との繋がりが効果を発揮している。

      老年期の疾病重症化を未然に防ぎたい!

      大分県は一人当たりの年間医療費が高く、退職時に国民健康保険に加入する際には、既に持病が重症化しているケースも多かった。そこで、県民の健康増進のためには、老年期の前段階である青壮年期へのアプローチが必要との考えから、被雇用者が多いこの世代にはたらきかけるため、「一社一健康宣言」等、以前から職場での健康づくりに取組んでいた協会けんぽ大分支部との連携を開始した。

      活動量ランキングで事業所ぐるみで健康増進

      取組みの柱となる健康経営事業所認定制度をバックアップするため、「働き盛りの健康みえる化促進事業」、「歩いて健康No.1決定戦」といった事業を実施している。これらの事業は、歩数等の活動量をランキング形式で「みえる化」するもの。どちらの事業も事業所からのチーム参加を要件としていることが特徴で、職場の仲間と楽しみながら取組むことで健康増進を図る仕組みとなっている。ウェアラブル端末を活用するなど、簡単かつ継続しやすい工夫がなされている。

      表彰制度でやる気をUP!!

      健康経営事業所認定制度は、参加登録した事業所が健康経営のための取組みとして定められた5つの認定基準すべてをクリアすると、県知事から健康経営事業所に認定される仕組み。認定事業所の情報や取組み内容は県のホームページ等で公表されるほか、優秀事業所は県知事から表彰を受けられる。認定、表彰は単年度評価であり、表彰事業所はメディアへの露出が増えることもあって、表彰/認定事業所には「表彰/認定されたからには襟を正さなければ」という意識が生まれ、継続して取組もうというインセンティブになっている。また、認定されなかった事業所も、次年度での認定、表彰を目指して引き続き取組みを続ける事業所が多い。登録事業所では 、「働き盛りの健康みえる化促進事業」 、「歩いて健康No.1決定戦」に取組むことにより、ランキングや上位チームに与えられる賞品がインセンティブとなっているほか、取組み自体が従業員の楽しみとなってもいる。