佐川男子は生涯スマート!
      肥満防止を通して企業価値を高める取組み(SGホールディングスグループ)

      今の健康づくりは「未来のあなたへの贈り物」 SGホールディングスグループでは、2014年8月1日からの3年間を「肥満対策集中期間」と設定し、グループ全社と健康保険組合が協働して肥満対策を推進している。目標として、①BMI25以上の割合を全被保険者について2.5%減・40歳以上3年連続在籍者の5%減、②生活習慣病の在籍者1人当たりの医療費を2014年実績から20%削減、の二つを定めている。40歳以上の該当者を対象とした肥満解消の教育プログラムである「SGスマートプログラム」の受診勧奨と、全従業員に対する肥満予防活動を中心に展開しており、開始後わずか一年で改善傾向がみられている。3年後の目標達成に向け、取組みを進めていく。

      きっかけは同業他社との比較から

      取組みのきっかけは健康保険組合による、同業他社との比較だった。2010年から2013年の4年間の各社の肥満割合の推移を比較したところ、同業他社が順調に肥満率を低下させているのに対し、SGホールディングスグループは4年連続で増加傾向であった。創業以来、江戸時代の運送業者である飛脚の鍛え抜かれた肉体をシンボルマークにしていたにも関わらず、太った従業員が増え続けていることが明らかにされたのである。

      経営課題と位置づけ、健康保険組合と事業主が協働

      従業員の肥満傾向を受け、健康保険組合はグループ全社の健康課題を分析し、データをわかりやすくグラフ化した。この健康課題の可視化は、SGホールディングスの役員を動かした。特にグループ各社の現状分析は、各社の役員層に危機感を持たせた。社員の健康状態の悪化によるブランドイメージの低下、同業他社に対する競争力の低下を危惧し、肥満防止を経営課題として明確に位置づけたのである。グループ傘下の全社と健康保険組合の協働によって、全従業員に対して取組みが展開されることになった。

      仕事場を健康づくりの場として位置づけ、職場動線の徹底活用

      SGホールディングスグループと健康保険組合の取組みの特徴は徹底的に職場動線を活用する点にある。宅配担当者については、事業場に体重計を設置。点呼時に毎回体重を測定し、自分の体型を把握してもらう。(特定保健指導は、専門職が職場に赴き必ず脱落させない。)職場で健康フェアを就業時間中に実施するなど、職場を健康づくりの場として位置づけている。また、この取組みでは、グループ各社は協力し競争し合う関係である。取組み開始から一年後、グループ内の企業別の状況が健康保険組合から提示された。BMI数値については、改善傾向を見せた企業、悪化傾向を見せた企業が明示され、各社の取組みが写真つきで掲載されるなど、グループ内で対抗意識・競争意識を持たせることを明確に意図している。各社の現場でも自社に効果的な方法を模索しており、競争意識の中から、より効果的な取組みが生まれることが期待されている。